大谷翔平を仮想獲得〜サンフランシスコ・ジャイアンツ〜



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今や移籍報道を目にしない日は無いと言ってもいい、ロサンゼルス・エンゼルス大谷翔平選手。言わずもがな、彼の新契約は今オフFA市場最大の注目事であり、MLB史上最高額での契約が有力視されています。

報道を見る限り、移籍先の最有力候補はドジャース、対抗でメッツ、大穴でエンゼルス残留も…?ですが、このあたりの球団は皆様分析済みかと思います。
なので今回は、その次くらいに名前が上がる球団 サンフランシスコ・ジャイアンツ が大谷選手を獲得するケースを考えてみたいと思います。

(成績は全て日本時間6/26時点)

チーム概要

サンフランシスコ・ジャイアンツは1883年に設立された歴史ある球団です。
MLB有数の人気球団で、同地区ロサンゼルス・ドジャースとは有名なライバル関係にあります。また、日本一有名な野球チームの名前の由来となったことでも有名です。

直近10年で地区優勝1回と名門ドジャースの後塵を拝している印象はありますが、それでも2021年には低い下馬評から快進撃を見せ、地区優勝に輝いています。

補強状況

近年ジャイアンツの課題といえるのが、チームの顔となるスター選手の不在です。

これを受け昨オフは大型補強に乗り出し、地元出身のスーパースター、幼少期はジャイアンツファンだったというアーロン・ジャッジ獲得を目指しました。3億6千万ドル前後の大型契約を提示し、一部で合意報道(?)まで出ましたが、最終的にはヤンキースに競り負けます。

続いてショートのスーパースターカルロス・コレアに狙いを定め、こちらは13年3億6千万ドルで合意。しかしメディカルチェックで問題が生じ、結局は彼も逃す形になってしまいました。

このように

  1. スターを求めていること
  2. 宙に浮いたジャッジ・コレア資金をそのまま注ぎ込めること

の二点が、大谷選手の移籍先候補として名前が挙がる大きな理由といえます。

地区情勢

ナ・リーグ西地区に所属し、同地区には名門ドジャース、近年の大補強で一気に優勝候補に躍進したパドレス、新人王を有力視されるコービン・キャロルの活躍などで今シーズン首位のダイヤモンドバックスがいます。

ア・リーグ東地区と並び、MLBで最も厳しい地区の一つと言っていいのではないでしょうか。

そんな中で今シーズンのジャイアンツは、ダイヤモンドバックスに次ぐ地区2位、ワイルドカードでも首位争いをくり広げる等、上々のシーズンを送っています。


戦力面

野手陣

打線の中心はDHのピーダーソン、サードのデービスですが、ピーダーソンは単年契約のため今オフFAとなります。仮に大谷選手を獲得する場合、玉突き移籍となるでしょうか。

外野は左からハニガーヤストラムスキーコンフォート、控えにスレイターがいます。
しかしハニガーは故障で開幕に出遅れると復帰後も調子が上がらず、6月には尺骨の骨折で再度60日間の故障者リスト入り。回復状況によっては代わりの外野手獲得か、ピーダーソンを残留させてレフトで起用する選択肢もあるかもしれません。

ファーストの今季ブレークしたウェイド、セカンドのエストラーダが主に1、2番を務めます。ショートはベテランのクロフォードがメインですが、プロスペクトのシュミットがショート、あるいはサードで出場する試合も増えています。来季以降はシュミットがメインとなるのではないでしょうか。ユーティリティのフロレスビヤーは残留すれば来季も出番がありそうです。

メインキャッチャーはバートですが、こちらもプロスペクトのベイリー、ルール5ドラフトで獲得したセーボルの両若手が起用される試合も見られます。

仮想スタメン
パターン1 パターン2
1 3 ウェイド 3 ウェイド
2 DH 大谷 4 エストラーダ
3 5 デービス DH 大谷
4 9 コンフォート 5 デービス
5 7 ハニガー 7 コンフォート
6 8 ヤストラムスキー 9 ヤストラムスキー
7 4 エストラーダ 2 ベイリー
8 6 シュミット 8 スレイター
9 2 バート 6 クロフォード

投手陣

エースはWBCアメリカ代表に選出(後に辞退)されたウェブ。2番手のコブとともに安定した投球を続けており、二本柱と言ってよさそうです。
3、4番手はウッド、デスクラファニ。5番手をストリップリングとマナエアが争う形です。ウッドが今オフFAとなるため、仮に獲得するなら大谷と入れ替わりでしょうか。

抑えは25歳と若いドバル。今季ここまでセーブ数リーグトップで、防御率も約2点と上々です。
セットアッパーはよく似た名前のタイラー・ロジャーステイラー・ロジャース。前者はアンダースローから独特の浮き上がるような軌道の投球が持ち味の個性派です。

仮想ローテーション
番手 選手
1 大谷
2 ウェブ
3 コブ
4 デスクラファニ
5 マナエア/ストリップリング

プロスペクト

3月時点のマイナー充実度は30球団中17位。
全米トップ100プロスペクトには、左投手のハリソン(18位)、ショートのルイシアーノ(22位)の2人が入っています。

意外な期待値からジャンプアップする選手もいる一方、近年はドラフト上位指名選手が伸び悩む傾向にあることも指摘されています。

総じて、可もなく不可もなくといった印象でしょうか。

首脳陣

監督を務めるのは、2005年に日本の読売ジャイアンツでもプレーしたゲーブ・キャプラー
引退後にドジャースのスタッフを経てフィリーズの監督を努め、2020年からジャイアンツの監督に就任しました。
2021年の地区優勝時には、全米野球記者協会から最優秀監督賞に選出されています。


環境面

球場

本拠地オラクル・パークの名物は、ライト後方に広がるサンフランシスコ湾に飛び込む場外ホームラン、通称スプラッシュ・ヒットです。
史上最強打者バリー・ボンズの代名詞でもありますが、仮にMLBトップクラスの飛距離を誇る左打者の大谷選手が本拠地としてプレーすれば、ボンズと並び称される稀代のスプラッシュ・ヒッターとなるのではないでしょうか。

一方でこの球場は、左打者泣かせの投高球場とも言われています。ライトフェンスまでの距離は94mと短い一方、そびえ立つ7mを超えるフェンスの上からは海風が逆風となって吹きつけます。加えて右中間が深くなっており、フェンスまで127mもあります。

2000年に開場して以来、この球場を本拠地として30本塁打を超えた選手は3人しかおらず、うち左打者はボンズのみです。打者大谷には厳しい環境である一方、投球面ではその恩恵を受けることになりそうです。

地域

地元サンフランシスコはカリフォルニア州北部に位置し、アメリカではニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴに次ぐ第四の都市です。日本との時差はアナハイムと同じ17時間であり、試合中継も同じような時間帯が多いと思われます。
一年を通した気温変化が少なく、夏は涼しく冬は暖かめ。乾燥していて雨も少なく過ごしやすそうな気候。

移民を受け入れる文化があり、チャイナタウンやジャパンタウンが存在する等、アジア人も多く生活しています。
また、治安はいいとは言えないものの、アメリカの大都市としては悪くない部類のようです。


総じて

移籍のメリット

ヤンキースやドジャースには劣るものの人気球団でありながら、圧倒的チームの顔として迎え入れられることになります。エンゼルスと同等かは分かりませんが、金銭面のみならず起用面でも高待遇が期待できます。

また西海岸の温暖で雨も少ない気候は、引き続き身体的コンディションや投球間調整の助けとなることでしょう。

名物のスプラッシュ・ヒットと左のパワーヒッターである大谷選手の相性は抜群で、海に飛び込むホームランは実に絵になる、心躍る素晴らしいシーンになると思われます。

デメリット

決してプレーオフ常連の強豪とは言えず、地区ライバルも強力なため「ヒリヒリする9月」を過ごせる保証はありません。
(強すぎるチームでも面白くないというファンには、エンゼルスより少し強くて将来性がある、くらいで丁度いいかもしれませんが。)

また左打者の本塁打が出にくい球場であるため、本塁打王争い等の面では不利になることが予想されます。

新規ファン目線でいうと、エンゼルスのトラウトやヤンキースのジャッジといった超スーパースターが今のところ見当たらないため、チームに馴染みを持つまでは少々試合を楽しみにくいかもしれません。

加えて、一部ファンは宗教的な理由から日本の顔である大谷選手がこのデザインのユニフォームを着ることを、あまり好ましく思わない可能性があります。

おわり

????「FAしたら 手を上げるのが ジャイアンツ」